ドクターデニム・本澤裕治氏×N.O.R.Cディレクター・福田亜矢子によるスペシャル対談ドクターデニム・本澤裕治氏×N.O.R.Cディレクター・福田亜矢子によるスペシャル対談

ドクターデニム本澤裕治氏×
N.O.R.Cディレクター福田亜矢子によるスペシャル対談。
大人の女性だからこそ似合う今すぐ穿きたくなるデニムとは?

  1. (左)ドクターデニムホンザワ代表 本澤裕治氏 (右)N.O.R.Cディレクター 福田亜矢子
    先シーズンより、N.O.R.Cのデニムの監修を務めているドクターデニム ホンザワ代表・本澤裕治氏。本澤氏は「レッドカード(RED CARD)」「タイムマシーン(timemachine)」、「ファイヤーサービス(FIRE SERVICE)」をはじめとするデニムブランドのプロデュースのほか、数々のブランドのデニムを手がけている人物。この秋のN.O.R.Cからは新たに4型のデニムがお目見えする。
    スタイリストであり、N.O.R.Cのブランドディレクターでもある、福田亜矢子と本澤氏が「大人の女性のワードローブに加えたいデニム」として作った今シーズンのデニムについて語っていただいた。
  2. 日本人の体型を知り尽くした本澤さんならではのデニムを展開

    日本人の体型を知り尽くした
    本澤さんならではのデニムを展開

    ――先シーズンから引き続き、N.O.R.Cからは本澤さんとのコラボデニムが登場します。スタイリスト、そしてN.O.R.Cディレクターでもある福田さんから見た本澤さんとは?
    福田「本澤さんとお会いしたのは、N.O.R.Cがスタートしてからなので、スタイリストとして本澤さんのプロデュースする『RED CARD』のデニムを見た方が先だったんです。『RED CARD』がスタートした頃は、インポートデニムが主流。その時期にリアルヴィンテージでありながら履きやすくてこの価格でっていうことに驚いたというのが最初でしたね。さらに驚いたのは、ユニクロのデニムも本澤さんが手がけられていたということ。あの価格で穿きやすいデニムを提案できるということが衝撃的でした」
    本澤「ユニクロのデニムに携わったのは10年前。その頃は、細身で脚長/美脚に見えるスキニーがニューヨークを中心に注目を集めた頃でしたね。そのあとに『RED CARD』を立ち上げたんです」
    福田「価格が高いほど、いいデニムという概念を打ち砕いたのがユニクロブランドでプロデュースしたデニムだったと思います」
    本澤「今はプレミアムデニムと言われる高い価格帯のインポートデニムが伸び悩んでいる時代。値段が高ければいいというのではなく、いつも3F(FIT, FABRIC, FINISH)と呼んでいますが、フィット感やはき心地、生地感や加工のバランスが大切なんです」
    福田「私も自分のワードローブにインポートのデニムってないんです」
    本澤「やはり、インポートのデニムとは、我々日本人の体型が違うということもありますしね。僕らも、日本人仕様にパターンを引き直していますからね」

  3. シガレットストレートのリジッドデニム

    ストレッチありきではなく
    シルエットがキレイに見えるデニムを選ぶ

    福田「シガレットストレートは、ハイライズにしてもらったのですが、ポッコリしがちな大人の女性のお腹周りをキュッと引き締めてくれるんです。まるで補正下着のよう」
    本澤「これは、綿100%でストレッチがないので実はパターンが引きやすいんです。ストレッチ入りだと、伸びることを想定していろんなパターンを引きますからね。ストレッチが入っていないからこそ、キレイなシルエットが作れるのだと思います」
    福田「スタイリストのお仕事でも、デニムをリースしたら、とにかく自分で穿いてみるのですが、その中でもダントツと言っていいほど、お腹周りがスッキリするんです」
    本澤「もともとデニムって綿100%なので伸びないんです。それをストレッチを入れて穿きやすくしただけで、伸びないデニムでキレイにラクに穿けるっていうのができたらそれが一番ジーンズらしいと思うんですよね。ストレッチありきだったデニム事情が少しずつ変わってきているし、今は僕らもその方向に向かっています」
    福田「大人になると、激しい動きをするわけじゃないから、キレイなシルエットをキープできることは本当に大切。あとは、ちょっとのトレンド感と清潔感があればいい」
    本澤「それでいて、男の僕からしたら、かっこよく穿いて欲しいという思いがある。僕らのデニムを作っているチームは男だらけなので、女性目線の意見はとても参考になります」
    福田「女性にはこう穿いて欲しいという男性目線が入ることで、よりキレイに穿けるんじゃないかと思うんですよね」
    本澤「自分のプロデュースするブランドのデニムを作ったときも、男性目線だからこそ、女性が穿いたときに体のラインがキレイに出るという意見をいただきました。だからこそ、この綿100%のデニムはまさに今買うべきデニムだと思う。しかも福田さんが穿いているリジッドデニム(洗い加工がされていないデニム)はレディースではなかなかないアイテムですよね」
    福田「私にとっては、それがすごく大人に見えて清潔感があるように感じたんです。また、穿き込むことで自分で味を作る楽しさもある。リジッドデニムは、シガレットタイプで展開しているので、ぜひ、今季チャレンジして欲しいです」

  4. シガレットストレートのユーズドカラーデニム

    キレイめに穿くなら
    ユーズド感にもこだわって

    本澤「シガレットストレートのもう一本も絶妙なユーズド感が特徴。ヒゲとか入っていないユーズド感が潔い一本です。ダメージとか色々入れたくなっちゃうけど、入れない方が、勇気がいることだと思う」
    福田「色々考えて、入れない方向になりました」
    本澤「コーディネートとして考えたら、いらないんだろうなって」
    福田「アラフォー世代が穿くならって考えたときに必要なのは清潔感。肌も髪もツヤがなくなってくるアラフォー世代は、今までだったら定番と考えていたダメージデニムが穿けなくなってくる。私自身、今までのデニムが似合わなくなって離れていた時期があるんです。流行りのデニムを穿いているはずなのに体型と顔がついていけなくなっちゃう。。それでどうしたものかと考えたときに、リジッドデニムに行き着いて。ユーズド感も同じようにヒゲやダメージ感を入れすぎちゃうと、着こなせなくなってしまうんです」
    本澤「作り手からするとここまでリアルな話は聞けないからね(笑)。でもここが別れ道ですよね。似合わないから諦めちゃうか、似合うものを探して挑み続けるか」
    福田「挑み続けていきたいですよね。服が似合うために体も変えていかなくちゃいけないんだろうし。デニムはもちろんだけど、合わせるトップスにも気を使うべき」

  5. 上:セミワイドストレートモデル。
下:白い糸を使ったダブルステッチでキレイめに。

    秋冬のアウター合わせのデニムは
    ドレスダウンアイテムとして使う

    福田「ルーズシルエットのセミワイドストレートデニムは通常ではなく白いステッチにすることで、カジュアル過ぎず少しキレイめな印象にしていただいたんです」
    本澤「ダブルステッチでちょっと昔風のシルエットなんですけどね。やっぱり、スタイリストさんとしての視点が入っているなと感じました。僕らはデニム単品でかっこいいものを目指しているんです。スタイリストはコーディネートの1アイテムとしてデニムを捉えているので、そこが僕らとは違うんだと思うんですよね」
    福田「秋冬シーズンは、アウターと合わせるじゃないですか。コートともなると、ハイエンドな素材になったりするので、ドレスダウンするアイテムとしてのデニムを選ぶべき。それに、デイリーユースならヒールありきではなくペタンコシューズと合わせたくなりますよね。ヒールじゃなくてもキレイめに穿けるデニムとして、セミワイドストレートとハイウエストワイドを作っていただいたんです。それに対してシガレットストレートは、キレイに穿きこなしたい人に向けて作りました。カットオフスリムは、ブーツ人気が再燃しているのに合わせて、ショートブーツと合わせたい人向けに作りました」

  6. カットオフブラックスリムは、今シーズン唯一のストレッチ入り

    ブーツ人気が再燃した今、
    取り入れたいブーツに合うデニム

    本澤「カットオフスリムだけは、ストレッチが入っています。サンプルはもう少し太めだったのですが、もう少しキレイに履けるようにということで細くなったんです。こういった福田さんのようなデニムの作り方は我々にとっても新鮮。通常、ブランドでデニムを作るときは、ブランドのパターンから逸脱しづらいんで、毎回似たものになってきがちなんです。でも、N.O.R.Cでは今、欲しいものに照準を合わせて作ることができたので僕らも楽しかったですね。その自由さがいい。全種類買っても、それぞれのシチュエーションで楽しめるデニムだと思います」
    福田「アラフォー世代でも昔穿いてたデニムをクローゼットから引っ張り出して穿いている人もいるけれど、それが着こなしを老けさせる原因なんです。デニムのようなベーシックなものほど、シーズンごとに更新していかないといけないと思う」
    本澤「僕の持論では、女性の場合はデニムは一生もののベーシックではなく、トレンドありき。ベーシックなアイテムだからこそトレンドのシルエットや素材感などにこだわることが必要だし、シーズンごとに買い足すべきアイテムだと思います」
    福田「とはいえ、自分にあったデニムを買ったら週に2回は穿きますからね。1シーズンで元は取れるはず。ぜひ、N.O.R.Cのデニムで今シーズンのカジュアルをアップデートして楽しんで欲しいですね」

  7. 本澤裕治氏

    本澤裕治氏

    PROFILE
    1989年にジーンズメーカー国内大手のエドウィンに入社。「エドウィン503」の企画をはじめ、約10年にわたってジーンズづくりを習得した後、リーバイ ストラウス ジャパンに転職。「リーバイス501」のモデルチェンジを手掛ける他、海外視察を重ねる中でジーンズの世界基準を学ぶ。その後、独立してジーンズの企画会社である有限会社ドクターデニムホンザワを設立し、2009年に自身のブランドとしてレッドカードをスタート。国内外を問わず、これまでにジーンズのプロデューサーとして企画や監修に携わったブランドは100以上。